約4000kmのCDTのうち2700kmくらいを歩いて今年の冒険は終わった。
振り返ってみると
暑さ、寒さ、疲れ、痛さ、喉の渇き、空腹、怖さ、不安、風、いろんな辛さがあるのがCDTだった。
一方、出会い、達成感、安らぎ、空気、生命感、いろんな感動があるのがCDTだった。
辛さも感動も含めて自分のこの身体で体験できた。
圧倒されるような満点の星の下でのキャンプ。
アスペンの木々が風にそよぎ、サラサラと音を立てた時の心地よさ。
砂漠の中の、ほんの小さな木陰での昼寝。
夜明けのオレンジ色に染まる時の気持ちの高揚感。
登りながら摘んで食べたブルーベリーの身に染みる甘さ。
喉の渇きの中歩いて、水の流れを聞いた時の嬉しさ。
牛に囲まれた時の恐怖。
表現できないくらい沢山の思い出ができた。
アメリカ、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリア、カナダ、その他の国も含めて多くの国から来ていた人たち。多くのハイカーはPCTやATを歩いていた。
そんな人たちと話を出来たことも素晴らしい思い出だ。
自分なりに楽しむために、やったことがある。
出会ったCDTハイカーのトレイルネームをバックパックに書いてもらったことだ。
多くのハイカーが気持ち良く名前を書いてくれた。
もし、書いてもらわないと、彼らの名前を聞いただけではわからないということもある。ちゃんとスペルを知りたいという意味もあった。
「Totoro!、私のザックにTotoroと書いて!」と言ってくれた人、「ザックの写真を撮らせて」と言ってくれた人もいた。
このザックのおかけで人とのつながりを持てた。
最初の頃に書いてもらった名前は薄くなってしまったが、宝物のようなザックになった。
もし、再度CDTに来ることがあったら、このバックパックと一緒に来ようと思う。
このバックパックは
Gossamer Gear のMariposaだ。
最初の時の写真を見るとトトロの絵が鮮やかだった。疲れ切ったのは自分だけで無くて、バックパックも同じだったのだろうか?
ある時は椅子がわりになり、寒い時にはバックパックの中に足を入れて寝た。
ザックの中に入れた水の栓がゆるくて、水が滴り落ちてきたこともあった。
便利だったのはサイドのポケットが左右非対称で、片側には浅いのが二つ、もう一方は深いポケットだ。
この深いポケットにはトレッキングポールを入れたり、雨に濡れたテントを入れたりできる。
浅い方には雨具など、天気の変化に対応して、着たり脱いだりするもの。
あるいは手袋などを入れておいた。
防寒着を脱いだら、トトロの絵が描かれた後ろのポケットに入れて置く。このポケットはかなり伸縮して容量がある。
ベルトに付いたポケットには行動食やサングラスや虫除けを入れておいた。
ウルトラライトなバックパックは500gくらいのもあるが、このバックパックは約1kgある。
しかし、背中にアルミのフレームはいっていて、腰のベルトもしっかりしているタイプの中では軽いだろう。
重い時には20kgくらいを背負ってる。
日本の山岳には合わないかもしれないが、お気に入りのバックパックになった。
好きな言葉で
「Hike your own hike !」という言葉がある。
今回の旅で自分なりのハイキングはできただろうかと自問する。
答えは出ない。
だから自分に言う。
「Hike with your backpack again !」