Rawlinsで2日のゼロデーを取った後、コロラド州を目指す。2日のゼロデーを取った割には疲れが抜けてない感じがする。
9月5日(木)
明るくなった頃にモーテルを出た。
街から直接トレイルというのは少ない。
だいたいヒッチハイクが絡むが、街からだと楽だ。
しかし、街をスタートする時は食料も重くなる。
そして、今回は水場がかなり先になるので4リットルを持った。
まだ、少しは砂漠のような場所が続く。
鉄道の下をくぐって行く。
薄暗い中に絵が飾ってある、暗いからあまり良く鑑賞できない。
道路を歩いていて、誰もいないと思ってたら、後ろから「Good morning」と声をかけられた。
二台の自転車が通り過ぎて行った。
コンティネンタルディバイドトレイルのサイクリングだろうか?
恒例の初日のフルーツは炎天下の道路脇。
今日のコースは道路だ。
紙の地図(レイ ジャーディン)のオルタナティブルートを選んだ。
オリジナルルートでの水の補給に不安があったのと、先を急ぎたいからだ。
日差しを避けるために、道路下の水路で休んだ。
チョコレートが初日からとけてる。
丸い粒は大きなブロックチョコレートに変わりそうだ。
この先のTeton Reservoir に湖があるので、水が使えるかもしれないと休憩がてら向かう。
目の前に現れた湖は水深10cmくらいまでしか見えないくらいに濁ってたので使うのはやめた。
休憩だけして先に進む。
進むと道路脇の茂みの中にハイカーがいた。
彼はSnap。水場がここから9マイル先にあるそうだ。今日、彼ははそこまでは歩くという。
追い越されるだろうから、先に進んだ。
5時近くになり、寝るところ探ししながら歩く。
道路を歩いてると寝る場所を探すのが大変。
できれば、道路を通る車から見えない方がいい。さらに日差しを遮れるといい。
そう思って、道路脇に下りる。
鹿の死体が転がってた。
しかし、ここには道路下の水路のトンネルがある。
雷も鳴ってきたので、ここに決めた。
ふと道路の方を見ると先ほどのSnapが通り過ぎて行った。
テントを張れば中々快適。道路を車が通っても意外とうるさく無い。
この後、雷がずっと鳴り響く。雨はほとんど降らず雷だけだ。この場所に避難できたのは幸運だった。
鹿の死体から数メートルだというのが問題なだけ。
今日の距離:18.7マイル(29.9km)
9月6日(金)
早めに歩き出す。
対向車にわかるようにヘッドライトを点けて歩いた。CDTでの死亡率が高いのが交通事故だ。熊で死ぬのは皆無。
日差しが上がるのが嬉しくは無い砂漠。
でも、綺麗だ。
数マイル歩いてから、たぶん彼が行ってた水場に差し掛かる。
Lone Tree Creekの表示に見えるのは、ほぼ濁りきった川。
しかし、水の流れる音が聞こえたので下りてみた。
なんと脇にSpring!
冷たく、透明な水だ。日陰もあるので、ここで休憩して、朝飲まなかったコーヒーを飲んだ。朝飲まなかったのは今日の水の量を心配したため。
コーヒーを飲み終わって歩き出す。
次のCreekの場所の脇にあったもの
ここで亡くなった人の為のものだろう。
今年の6月になっている。
写真は平坦に見えるが、登り坂が続く。
疲れて休んでたら、その坂を登るサイクリストが通る。
この後もこのタイプの自転車に乗った人が通る。
タイヤが太い。
この後、日差しを避けられる木があり下で休んで昼寝をした。風が吹き始めてから道路に復帰。
道路からやっと離れることができた。
このまま進み、この別ルートから本トレイルに復帰となる。
昨日と同じで、雲行きが怪しくなる。
疲れてもきたので、テントを張り避難。木が多くある場所だ。
なんか、久しぶりにちゃんとした雨粒を見る感じ。
雷と雨が去り、すぐにテントは乾き始めた。
ふと、近くを見ると
なんだろう?ウルバリン?
こちらに近づいてきたので、手を叩いたらびっくりして反対方向へ逃げた。
夜になり、さらに雨が降り雷も鳴る。
さらに、鳥のけたたましい鳴き声、コヨーテの遠吠え、犬の吠える鳴き声、牛の鳴き声、自分のイビキと騒がしい夜だった。寝たような・・寝ないような・・
今日の距離:19マイル(30.4km)
9月7日(土)
久しぶりに濡れたテントを畳んだ。
テントの内側も少しだけ結露してる。
このテント(ヘリテイジ、クロスオーバードームf)の欠点は雨が降ると結露すること。
でも、乾燥してるアメリカでは数えるほどしか結露していない。日本よりアメリカ向けかもしれない。
日の出前に歩き出した。6時半頃だ。
ほんの少し歩いたら、ため池と人の住んで無い家があった。
昔は住んでたのかもしれない。
久しぶりのCDTマーク。
木があるところが、砂漠とは違う。
この辺りには白い石が多く、一見すると何か落ちてるのかと思うが、この白い石が露出してる。
今回、買ってみてお気に入りになったビスコッティ。これ1つでカロリーが150kcalあるし、食べても美味しい。意外と型くずれしてない。
次回も買おう!
日が当たる場所で休憩しながら、湿っぽい物を干す。朝から強い風もあるので乾きやすい。
山の脇を通るトレイル。見えるのはDivide Peak 2766m。
これから進む方向の山々。木々がありそうでホッとする。
ケルンにも白い石が使われてた。
道路との交差地点に来た。
トレイルヘッドにあるお馴染みの表示。
熊に注意!これから登りが続く。
今日通る二箇所の水場の1つ目。
2つ目は素晴らしい流れで透明。
茶色く無いと嬉しい。飲んでも美味しかった。
この後もひたすら登る。
実はRawlinsから少しづつ標高は上がってる。
標高2000mのRawlinsと比較すると、今の地点は1000m以上の差がある。
面白いもので、標高の低い砂漠の道路は木が無くて、日本だと森林限界越えた3000m以上には木がある。
途中、四駆の車で来てた人達と挨拶。
その後、疲れて休んでるとCDTハイカーが現れた。
彼はDreamer。Totoroの事を何処かで聞いていたみたいだ。
少し話をして彼は前に進んだ。
疲れたのと足首の痛みで5時前だがテントを張る。
この時間でも涼しいのでジャケットを着る。
夜になると寒くなる。暑すぎる日との差が大きい。
なんだか疲れが取りきれないのは、寒暖差の大きさのせいかもしれない。
明日はEncampmentの街に出るが、翌日をゼロデーにしようと思う。
今日の距離:15.3マイル(24.5km)
9月8日(日)
明るくなる前に歩き出すのは最近の恒例。
6時半頃は以前だと明るかったのが、暗いのでずらす必要があるかもしれない。
徐々に明るくなる。
ここが今回の最高地点。
Bridger Peak 3341メートル。
目の前に羊たちの群れ。
この場所ではSheep Dogがアグレッシブに向かってくるから石を掴むか、ベアスプレーを用意した方が良いとGuthookのコメントに書かれてたので用心した。
やはり、犬が吠えて向かってくる。
しかし、吠えてはいるものの攻撃的な顔をしてない。
吠えるのは仕事としてやってる感じだったので、安心して吠える犬たちを見ながら通った。
おやテントがあるぞと思って近づいてみたら
ただの石だった。
道路に出た。
ここからヒッチハイクだが通る車が少ない。
30分くらいして乗せてくれたのはJerryという76才の人。キャスパーに住んでいるという。
Jerryの話では、この辺りは深い雪に覆われてしまうそうだ。
道路脇にポールが立ってたのだが、それはスノーモービルの為だという。
彼はボーガンで鹿などの狩をするという。
話をする時にこちらを見ながら話し、車のスピードがだいぶ落ちる人だった。
Encampmentの街にはすぐに着いた。
泊まる目的のBig Horn Lodge。
中は田舎風。
10時で部屋の用意ができてないので荷物を預けて買い物をして来た。街にはコンビニくらいしか無い。
部屋も落ち着いた感じ。
何故かジョン・ウェインが額に飾られてた。
田舎の街にとって英雄みたいな人なのかもしれない。
10日間の無補給トレイルの次が砂漠で、Rawlinsで2日のゼロデーを取ったものの疲れてトレイルに戻った。そして砂漠と高所を歩き疲れてEncampment。なので明日はゼロデーにする。
長旅の疲れがたまって来てるのかもしれない。
今日の距離:6.7マイル(10.7km)