Dubois の街でゼロデーを2日間過ごしトレイルに戻る。荷物は10日間の食料を含むので重い。
100g当たり400kcalの食料として、1日2000kcalは必要だから、1日分の重さ500g。10日だと5kgにはなる。
実際は2000kcalでは足りないから、もっと重くなった。食料以外の基本装備の方が軽い気がする。
歩くトレイルはWind River Range というコースだ。
8月17日(土)
出発前に天気予報の確認。
大丈夫そうだ。
実は靴を変えた。
今までのモントレイルの靴はあまりにも弱すぎる。
脇が破けた結果、足先が不安定になってしまう。
最初は(破ける前)足に合ってたし、ソフトな地面との接触も気に入ってた。
新たな靴を手に入れるには、この街は小さいので期待してなかったが、アウトドア専門店があった。
しかも、サロモンの品揃えをちゃんとしてた。
サイズは9.5からしかなかったが(ホントは9サイズくらいが丁度いい)、踵部分のはまり具合と、横幅がピッタリしてる一足を見つけて購入。
そもそも、日本での登山の時はサロモンばかり履いていたから、元々相性はいい。
その靴を履いてモーテルを出て、道路を歩きながらヒッチハイクを始める。
しばらく歩きながら街のはずれ近くに来たら、車が早くも止まった。運がいい。
乗せてくれたのはローズという若い女性英語教師。
彼女はイエローストーンへハイキングに行く途中だ。教師になって2年目。なんと、5週間の休暇を取ってるという。友人と待ち合わせして、イエローストーンを1週間ハイキングするという。
アリゾナ出身で今はコロラドに住んでいる。アリゾナに両親がいるが、アリゾナは暑くて嫌だという。
彼女はロッククライミングもするアクティブな人だ。
トレイルヘッドで降ろしてもらった。
重〜い荷物を背負い歩き出す。
置いてあった骨。
この付近の森の木は購入できるようだ。
手続きはどうするのだろう?
変な場所にゲルがあった。遊牧民がいるのか?
この山の形は面白い。富士山の上だけみたいな感じ。
初日特典のフルーツを休憩に食べた。
毎日食べられると良いのだが・・
トレイル上では珍しく、Creekの名前表示がある。日本では◯◯川とか、◯◯谷とか多くの案内を見るが、こちらのトレイルではあまり見かけない。
この上の日陰で昼食を取る。
食べたのはオレオなどのスナック菓子。数日間はこの生活だ。
親切に矢印が地面に作られてたので、そちらに進む。
林道から外れると、こんなトレイルが続く。
歩き出して2マイル、反対側からGray Wolesともう1人のハイカーと会う。彼らもDubois に向かうという。ほとんどのCDTハイカーはDubois に寄っていくのかも知れない。
午後になり、しばらく歩いた後、前もって安全を考えて決めたキャンプサイトに着く。
ここには食料をぶら下げる木が設置されてるだけでなく
ベアボックスがある。
食料が多すぎて、ぶら下げるには重いのでここを考えていた。
Guthookの地図アプリのコメントではグリズリーを見たとの情報がこの付近であった。
テントを立てるにも平らな場所が多くて便利な場所。
重い荷物の初日ということもあって、早めに着いてゆっくり休む。
ここで2人のノースバウンダーが通って行った。
今日の距離:14.5マイル(23.2km)
8月18日(日)
6時半過ぎにスタート。
どんどん夜明けが遅くなるようだ。
歩き出してから日が昇り始めた。
しかし、寒い。
向かう先には窪地に草原が広がり美しい。
影の世界では本来の自分より背が高い。
途中、8時半頃にREI のテントを見た。
昨日も歩き出してから9時頃にREIのテントを見たが、同じものだろうか?
ここはSheridan Pass 平らな峠だが、標高は2800メートルくらいだ。
この後、3000メートルを越える。
ビールだ!もしかしてトレイルマジックか?
と思ったら箱だけ。
途中、すれ違ったのはJesusとJandalsの2人。
Jesus は神様という意味かと聞いたら、そんなもんだ・・との答えだった。
神は「良い1日を〜」と言っ去って行った。
その後、焼け跡を通り。
小川の近くで昼にした。
実はGuthookのコメントでは10日前の情報では多くの牛が近くにいたようだ。
心配して来たが、今日は牛を見ていない。
牛が多いと水が牛のウンコのような匂いを感じる。
昼食を済ませて、水も補給してしばらく歩くと、反対側からハイカーだ。
テキサスから来てるGirly Girl。彼女がオルタネートのルートはフラットでいいわよ!と教えてくれた。
会った場所からフェンスが見えて、そこを行けば良いらしい。
早速、そっちに変更した。距離は変わらないが、食料で重い荷物なので助かる。
すぐに木のフェンスに着き、林道のような道を進む。
平らな場所に出た。
全体的に平らだ。遠くの山が見える。
平らな場所を通過して林道に出た時に通った車の人から「ベアスプレー持ってるか?」と聞かれる。
「Yes」と答えると、「昨日、この下の場所でグリズリーが二匹いたんだ」とのことだった。
先に進むと牛がいた。しかもトレイル上だ。
こんなに広い場所なのに、何故トレイル上にいるんだろう。
さらに水場。思った通り牛のウンコ混じりの水だ。
どうしようかと悩み、山側に進む。
ましな水場を茂みの中に発見。
トレイルから外れてる場所だった。
左側の水マークが牛ウンコ水だ。
その場からさらに山の方に行きテントを張った。
グリズリーが来ませんように!
今日の距離:19.2マイル(30.7km)
8月19日(月)
夜はオオカミのような鳴き声が聞こえた、数匹が鳴きあってる感じだった。そして、牛の鳴き声も聞こえる。
昨日、牛がいた方向からだった。
気になって、何回も起きる。
朝は眠たかったので少し遅れた。
30分ほど歩いた場所の湖。
ちょっと先に進んだら、良いテントサイトがあった。しかし、先に進む。
ちゃんと焚き火もできる。
さらに進むと
見えづらいだろうが、テントが張られてた、上の方にはかすかに車があるように見えた。
一般キャンプサイトのようだ。
牛に会う。
昨日から試してみたのだが、手のひらを大きく仰ぐように 振って、行く方向を示してあげると移動してくれる気がしてた。
なので、今日も試す。
この牛には左に行くように示した。
すると彼らは移動していく、不要に鳴いたりはしなかった。
やがて、林道と交差した場所にはキャンピングカー。
車がないから、朝食でも食べに行ったのか?
そして、牧場が広がる場所に出る。
途中の水場は枯れていた。牛の足跡と牛のウンコと少しの水たまりだけ。
おっと!熊の足跡だ。グリズリーかもしれない。
しばらく行くと川だ。ちゃんと流れてる。
石の上を伝わって歩く。濡れないで渡れた。
しかし、トレイル上には新鮮な牛のウンチが多かった。
知らぬ間に付いてることがある。
なんか臭いな・・と思ってると自分の靴から匂ってる。
突然、後ろから牛が鳴きながら来る。襲いそうな勢い。
しかし、トレイルの脇に寄り、手振り誘導をすると先に進んでくれた。
なんとなくコツがわかった気がする。
牛のいる場所を離れようとした時に、一頭の鹿がいた。
角を持って堂々としていた。
池が現れた。標高も上がってきたところだ。
その反対側には転がってきそうな大きな石。
猿の顔に見えた。
やがて、今日の最高地点に着く。
Gunsight Pass。
日本語に訳してガン見峠。てな訳ないか・
峠の反対側の向こうに湖が見える。
美しい景色の期待が高まる。
峠の反対側の水場の水も牛の存在感が無くて透明で綺麗だった。
さっそく、今までのを捨てて入れ替えて飲む。
雰囲気、美味しい!
夕方の6時頃、やっと湖に下りてきた。
湖も美しいが、湖の向こうの山並みに興味をそそられる。確か、これから向かう場所だ。
近くの立て札に川や流れから100feet以内のキャンプは禁止と書かれてた。
なので、トレイルから外れ山側にテントを張った。
誰も来ないし、景色は最高!
今日の距離:19.2マイル(30.7km)