CDT(コンティネンタルディバイドトレイル)を歩いてる。もう少しで観光地ウェストイエローストーンの街に着く。
1日に歩く距離は少ないが、前には進んでる。
7月31日(水)
昨夜の雷とヒョウで濡れたテントを広げた。
少しくらいしか乾かないので諦めて歩き出した。
ゴジラの頭のような岩。
丸い石ばかりの尾根がある一方、こんな感じの石を見るのも面白い。
何も気にせず歩いてるうちにCDTマークが一切見れなくなって不安に感じ、スマホをチェックしてみた。
あれ?
ロストしてる!
いったん戻ったら、さらに離れだした。
ということは、遠回りして今は近づいているということだ。
試しに前に進んだら、分岐があって元に戻る道を発見できた。
マークを見て安心。
そういえば、熊はこのマークが嫌いらしい。
熊の爪痕とともに壊されてることが多い。
今歩いてるコースは元々計画してなかったトレイルだが、歩いてみると見所もある。
大きな川が音を立てて流れてる。
断崖沿いに流れる様は迫力を感じる。
しばらく歩き、日が差してるところに出てテントを干した。
そしたら、日は陰る。
乾かないし、時間がもったいないので先に進む。
林道に出て進むと、林道としてはちゃんとした道路に出た。
日差しが強いがこの表示のおかげで日陰がある。
ここで昼食にした。案内表示がの影に感謝して休む。前を通る車が物珍しそうに見てる。その度に笑顔で手を上げて挨拶。
日向は暑いが、影に入るだけで涼しくなる。
なので、ホットコーヒーも飲める。
歩き出したが、食べてた場所はモンタナ州ギリギリだった。
この先は再び牧場。
以前見た白いかたまりでなくて茶色いのもあるんだ!
この水場の後はなさそうなので、ここで3リットル補給する。一気に3kg重くなる。でも水は大切。
また雲行きが怪しい。けど、なんもか持ちそうだ。
道路脇に座り休んでいたら・・
偶然見つけたワイルドストロベリー。
食べたら美味しかった。
しかし、他にはひとつだけしか見つからず残念。
季節が変わり、この先たくさんの果実を食べれるかな・・と期待。
やがて着いたテントサイト。
ちゃんと食料についての注意も書かれたキャンプサイトだった。
キャンプサイトと言っても水道もトイレも何もないのが普通。
ここからの景色が良かったので泊まることにした。
しかも、テントを景色の方向に向ける。
景色がオカズだ!
明日はこの景色を見ながらコーヒー飲めるぞ!
ただし、雷が心配だ。
案の定、雷と雨はやってきた。
今日の距離:17.9マイル(28.6km)
8月1日(木)
朝のグリセリンから始まった。
足に塗っておくとマメができにくい。擦れそうな場所に塗っておくといい。これはアメリカで購入したもの。アメリカに来て足のマメはできていない。
まずは林道を歩き
ハイウェイに出た。
ここに熊注意の看板。
ハイウェイを少し歩く。交通量が少ないハイウェイだ。
反対側のトレイルヘッドに着き、山側に向かって歩く。
ここに掲示してあった注意。
馬についても決められてることがあるようだ。
川から200フィート(60メートルくらい)離れた場所につなぐのは知らなかった。
今度は人間がやるべき事。
食料をぶら下げる場所や食べる場所はテントから100ヤード以上(約90メートル以上)
食べる場所と食料の場所は近くても良いようだ。
グレーシャー国立公園内で食べる場所からすぐ近くにぶら下げるポールが立っていた。
これ、やらないと罰則があると下に書かれてる。
罰せられるとは言っても、見てるレンジャーは中々いない。
少し歩いてから素晴らしい流れの川で水を補給。
写真左奥に取水口があるのがわかる。
この付近の人の水でもあるようだ。
今日はこの後、標高2200メートル台から標高3048メートル台まで一挙に登る。
九十九折の道なので時間もかかる。
日が強くなる前に登りたいところだ。
道はなだらかに登る。
前方に見えてきた稜線。
この峠のような分岐はまだ3000メートル以下の場所。
さらに登る。
雪の残ってる稜線が見えてきた。
着いた場所は標高10000フィートと書かれてた。
地図では9998フィートだが、四捨五入したのかな?
約標高3050メートルの場所。
あまり3000メートル感は無い。
反対側の下の道。
この石が面白い。
チョコをはさんだ大きなクッキーがたくさん落ちているようだ。
景色も素晴らしかった。
別ルートの近道もあったが、このコースにして正解。
美しいブルーの色をしている湖が2つあった。
神秘的な色だ。
この付近は水場も豊富。
この先、また登りになるので補給する。
水の味は少し苦いというか、硬水の感じがした。
稜線に上がる。
Lionhead という山が見える手前で力尽きテントを張る。
この後、雷と雨。最近は夕方に多い。
稜線沿いなのでテント内でビビりながら待機。
すぐ近くに落ちた。ものすごい音だった。
テントの中で食事をして、食料もテント内に置いて寝た。食料保管についての情報を見たばかりなのに・・
今日の距離:19マイル(30.4km)
8月2日(金)
稜線で寝たのは疲れたせいもあるが、朝の景色を見たかった。
Lionhead(標高2904m)
朝日を見ながら歩く。
赤っぽい岩に朝日が当たり美しい。
朝のほんの短い時間にそこに居ないと見られない景色だ。
下りになった時に見えた風景。
スノーモービル向けの標識。
トレイルに時速制限!?
誰もそんなスピード出さないぞ!
と思ったら、スノーモービル向けだった。
途中で会ったハイカーが犬を連れていた。
実はハイカーだと思ったらトレイルエンジェルだった。トレイルエンジェルとはハイカーを応援してくれて、食べ物など提供してくれたり、助けてくれる人。
彼は置いてあった車に戻るとオレンジやパンケーキやコーヒーを飲ませてくれた。彼の名はCheshire Cat。トレイル上での名前だ。Cheshire Catとは目の大きな不思議の国のアリスに出てくるネコだ。
ネコの名前を付けた彼は犬が大好きだ。
4歳になる犬と遊びながら歩いてる。
反対側から来たハイカーDan(本名)とmadslide(土砂崩れ) も加わった。
彼らもオレンジやパイナップルを食べる。
Danはトレイルネームを嫌って本名にしてた。
Cheshire Cat は4年間車生活をしながらハイカーの通る峠で待ち、トレイルエンジェルを続けてるそうだ。熊の話では、熊に会ったら熊に対するリスペクトを払い、静かに落ち着いて待つべきだ・・と語っていた。彼は1日に何回も熊に会ったことがあると言う。
他に2人のハイカーが来たが、彼らは自分たちで街に向かうと去っていった。
彼は3人を載せようと車を整理しだす。彼の車はホンダのオフロード車。たぶん5人乗り。荷物が満載だ。
どう見ても3人乗れる席は作れなそうだと思って見ていると、座席を空けるのではなく後部の荷物室を空けた。
そこに3人が後ろ向きに膝を抱えながら座れた。
そして、West Yellowstone まで車に乗せてくれる。
彼は絶対にお金を受け取らなかった。
彼にはポリシーを持って生きてる意思の強さを感じた。
着いたWest Yellowstone 。観光の街だ。
早速、2人と別れてビジターセンターに行く。
多くの人が来ていたがBackcountry Permit を取る人はわずか。
奥にレンジャーのいるオフィスがあり、そこに向かいBackcountry Permit を取る。費用は15ドル。
レンジャーが歩く距離を考えながら設定してくれるので、あらかじめ綿密な計画をしていく必要は無い。レンジャーは親切だ。
ビデオを見ながら、レンジャーと話す。
「ベアスプレーは熊に向けるのではなくで地面に向けてスプレーしなさい」とか、「熊を驚かさないように」とか教えてもらう。
ちなみにCheshire Catも熊を驚かさないようにと言っていたが、グレーシャー国立公園で両手を上げて叫んだのはもしかすると間違いだったのかもしれない。
熊に殺される確率は車の事故で死ぬ確率の24000分の1だと、その後見た新聞でも書かれてた。
これがPermit。
泊まるテントサイトの地図ももらう。
マルをつけた場所が泊まるところ。
楽しむために長い距離は設定していない。
オフィスを出た場所に物々しく飾られたツノや毛皮。West Yellowstone の街中では販売してる店もある。
その後、コインランドリーに向かう。
洗剤は併設されたコンビニで購入して使用した。
帰りがけにスーパーで食料を買ってモーテルに入り、ベッドの上で広げて足りるかどうかの検討。
スーパーで見つけたサッポロビール。
飲んだが日本のより軽い感じがした。
夜のご褒美にずっと持ち続けてたマヨネーズを使う。
今日の距離:7.3マイル(11.7km)