モンタナ州の南に来てる。
今まで足首の痛さから、正直楽しめない日も多かった。
南へ向かうスケジュールを考えて、20マイル以上で歩こうとすれば、午後は足首の痛さが増してくる。
CDTに来る前に自分なりに決めた事があった。
それは「CDTを楽しもう」ということ。
もう一つは「CDTが成功しなくても、無事に帰ることごできれば成功と考えよう」ということだった。
そもそも、62歳の自分が三大トレイルの最難関にチャレンジすることになったのは、もしAT(アパラチアントレイル)を歩いたら次にPCT(パシフィッククレストトレイル)を歩きたくなるだろう。そして PCTを歩いたらCDT(コンティネンタルディバイドトレイル)を歩きたくなるだろう。
(難易度が低い順からのチャレンジ)
だが、年々体力は落ちていくに違いない。
ならば、成功するのは難しくても、体力があるうちにCDTを経験したい・・と思ったからだ。
でも今は、CDTを歩き通したいが、楽しむことが大切だと改めて感じる。
なので、この先のルートも楽しめるルートに変えてみようと思った。
近道をルート選定していた次のコースは、トレイルで会った人がオススメのCDTオリジナルルートにしようと変更。
イエローストーンもサッと通り過ぎるのでは無くて楽しみたい。
7月28日(日)
朝9時、マイクの運転するシャトルカーでトレイルまで送ってもらった。
この車が日に2度から3度トレイルとモーテルを往復する。
マイクに牛が熊に襲われる事があるのか聞いたら、滅多にないという。むしろオオカミに襲われる事があるそうだ。この地域に2万頭もいる牛が熊に襲われないとなると、自分が熊に襲われる確率はほとんど無い。
イエローストーンにオオカミがいるのは知ってたが、100マイルも離れたこの地にもオオカミが来るのは知らなかった。
送ってもらった後、馬がいる牧場の脇を進む。
牧場の脇に設置されたレジスター。
Totoroと記入しておいた。
ちらほら知った名前が書かれてる。
しばらくは牧場の間を歩く。
すでに靴は破れてる。
でも、前回の時よりは長持ちしてる。たぶん雪の中を歩く事が少ないからだろう。
左足だけ破れてるのは、足首の痛い右足で思い切り踏み込んでいないため、左足に負担が大きいからだと思う。
牛たちが集まってる場所は土が直接広がってる場所。
たぶん、寝そべると気持ちいいんじゃないかな?
この場所にもレジスターがあった。
開けてみると
濡れてるし、ページもない。
管理がされてないらしい。
Little Table Mountain (標高2626メートル)の山頂にバギー車が来ていた。
アイダホからの人たち。
こういう楽しみ方ができるのがアメリカ。
かっこいいですね!と言ったら大きなお腹を見せて、「こうなっちゃうんだ!」と言っていた。
歩かないで何処にでも行けることは、動かなくなるということのようだ。
ここからの見晴らしはいい。
その後は森のような場所が続く。
次のシャトル(11時半モーテル発)に乗って来たStretchとSaltyがなんと追い越して来た。
彼らは早い!
このコースは表示がしっかりしている,
この奥の平らに広がるのがBig Table Mountain(標高2646メートル)
この標高で平らに広がる場所は日本だと無いかもしれない。
水が流れてるかと期待して来たが、枯れてる川。
でも、こんな事があるだろうと思い、モーテルの水道から4リットル持って来たので大丈夫。
この近くでテントを張り寝ることにした。
今日の距離:15.8マイル(25.3km)
7月29日(月)
朝日が昇る前に歩き出す。
早めにスタートするのは暑くないからだ。
暑いと歩くのが嫌になる。
ここはRock Spring。
本来なら水場のあるテントサイトなのだが、水が無い。
一滴も流れてない。
これは食料など熊から守るためのボックスだと思うが。
木が入ってた。
日が出る時間だが、今日は曇ってる。
歩くにはその方がいい。
間違えやすい分岐に木が置かれてた。
助かる。
タイミング良く蝶々がとまる。やっぱり写真にアクセントがあった方がいい。
花も終わりの時期だが、まだ楽しめる。
色鮮やかなものが多い気がする。標高のせいか、太陽のせいかな?
白い花の向こうには池がある。
先ほどの小川は枯れてたが、ここなら水を補給できる。でも、溜まり水はあまり使う気がしない。
馬の足跡があった。たぶん今日歩いてるのだろう。
と思って前に進んだら
ファミリーだろうか・・5頭の馬が歩いてた。
だいぶ、ゆっくり歩いてる。徒歩で追いついてしまった。
ここでお昼にした。
ここで、持ってる昼食関連の紹介をしよう。
これはひまわりの種とピスタチオが混ぜたもの(上)とビーフジャーキー(下)高カロリーだ。
プリングルスを粉々にしたもの。これは他のハイカーのマネ。
ポテトチップス系があるならと、トルティーヤチップスもやってみた。これトウモロコシだから、ジャガイモより栄養価あるんじゃないかな?。何よりも食べてて飽きない。
上がプロテイン系。下はReesesという菓子。Reesesはザックの中心に入れてても溶けてしまった。
しかも甘すぎる。次回は買わない。
逆にBROOKSIDE のチョコは溶けなかった。
これは好きなチョコレートだ。
これはソフトクッキーの中にジャムが入ってるような菓子。柔らかいから潰れるけど、損壊は意外と無く食べられる。特にブルーベリーがお気に入りだ。
今まで何回も購入している。
これらを適当に食べて昼は済ませる。
昼食の後歩き出して見つけた赤い実。
これがあるということはベリーも成ってるかもしれないと期待を膨らませた。
しかし、残念ながらまだ熟して無い。
この池を過ぎてからトレイルの整備度合いが上がる。
歩道もしっかりした。
ピクニックテーブルに熊から食料を守る保管庫。
一般向けのトレイルらしい。
その入り口付近にあった表示。
自分は北から南へと通り過ぎた。
少し進んでから、この先水場が無くなるので、明日分含めて補給して歩く。
テントを立てられるところを見つけ、食事をしてテント内に入る。
ベアスプレーは手元に置いて寝た。
熊は来なかったが、夜は雷と雨だった。
しかし、夜中に起きてみると満天の星。
変わりやすい天気だ。
今日の距離:20.3マイル(32.5km)
7月30日(火)
夜の雨のせいで湿っぽいが荷物をまとめて歩き出した。
テントの跡だけ乾いてる。
さあ、次はどんな山に登るのか?、どんな峠に登るのか? 楽しんで歩こう!
こんな花の群生地があった。
ひとつひとつ見ても華麗な花だ。
トレイル脇にザックとトレッキングポールが置き去りにしてあった。持ち主は熊に襲われたのか?と心配になってザックに触れてみたら乾燥してたので(置き去りなら昨夜の雨で濡れてるはず)、近くでウンコでもしてるのだろうと前に進む。
しばらくして振り返ったら持ち主がこちらを見てた。手を振る。
途中にあった羊を自然の中で放つことによるエコシステムの調査みたいな表示。
羊を追いかけたりしないで・・と注意書きも。
先に進んでみると
ここから始まるとの表示。
羊さんに会えるかな?
しかし会えません。
この地点から九十九折の坂道が続いた。
2500メートルくらいから2900メートルくらいまで登る。
その頃から日差しが強くなる。
Taylor Mountainという山、2910メートルの標高。
Taylor Mountain付近から約3マイルに渡って2850メートルから2900メートルの間を通る見晴らしの良いトレイルになった。
遮るものが無いので、下界の湖や遠景を楽しみながら歩ける。天空の散歩道といったトレイルだ。
景色が良かったので、休憩を取りつつ、日干しを行なった。
下に見える道がナスカの地上絵のようだ。
下っていくと森に入った。
熊の爪の跡。やっぱりいるぞ!
今やベアスプレーあるから安心だ。
標高下がるにつれて暑くもなってきた。
水分補給が頻繁になる。
水場の付近で雲行きが怪しくなってきて、雷も鳴ってる。
慌ててテントを張り早めの食事とした。
本当はテント外で食事をすべきなのだが、ついつい雨だとやってしまう。熊さんに来ないでほしいと思いながら。
このまま、ここで寝ることにする。
今日の距離:16.1マイル(25.8km)