足の痛みを抱えながら歩いている。
15マイル以下で歩こうと決めた86マイルの区間の終盤だ。
この区間は本来なら4日ぐらいの計画だったが、7日間で計画した。
ここで回復の兆しが見れれば、スピードを上げて歩くことができる。
7月11日(木)
朝の準備が順調に進む。
結露が無いこと、疲れが無いこと、天気が良いこと、気持ちが高まってること、が朝の準備を早くする気がする。
6時15分には歩き出した。
今日は当初決めた15マイル以下をやめてチャレンジしてみるつもりだ。
目標地点は18.6マイル先の林道と交わりトイレもある場所。そこに着けば翌日のDarbyへのヒッチハイクが楽になる。
途中、イリノイ出身のBooBooに追い越され、どんどん小さくなっていった。
この付近のコースには今まで見なかったプラスティック製のCDT表示がたまにありわかりやすい。
表示のない場所も石が積まれててわかりやすい。
CDTの中でも整備されてる方だろう。
その後、ペンシルバニアのSundownと会う。
彼はテント内でコーヒータイムだった。咳き込みながら飲んでたけど大丈夫かな?
さらに歩いて1時間くらいで彼に抜かれた。早い!
咳は大丈夫そうだ。
この日のコースは水場が少ないので、最終と思われる場所でコーヒータイムにしながら水を補給した。
暑いので日傘が役に立った。
すると現れたのがSunshineだった。
記念に写真撮影。
彼とはグレーシャー国立公園で会ってる。
このところ彼は28マイルくらい歩いてるという。
今日もDarbyまで一挙に行く予定だ。
天気が良いねと言うと、彼は暑すぎると言っていた。確かに暑い。彼は先に進んだ。
自分も4リットル近くの水を持ち後を追う。いや・・・追わない。マイペースで歩く。
やがて林道に出る。
この後のコースは林道と交わることが多いので楽になる。
足首はなんとか持ちそうだが、暑さのせいでだるい。
ちょっと爽快な場所。
珍しくベンチもあった。こんな日が当たる場所では休めない。
焼け跡の花道の登り。日を遮るものが無いから辛い。
5時過ぎに着いた目的地。
ここでフランス人カップルに会う。
彼らもCDTハイカーだ。トレイルネームを聞いたが発音がよくわからない。
Mbuzl Mawe とFisi nyupe だ。
北に向かうという。
彼らは日本の木曽路など歩いたことがある。
写真を撮ったので、あとで送ってくれることになった。
その時に一緒にいた車で来た男性に水をもらった。
トレイルマジックだ。(トレイル上で水をもらったり食べさせてもらったりと親切を受けること)
500mlボトルをもらう。
さらに、その後オレゴンからのNIPS!とMontyが来て同じ場所で泊まることになる。彼らは20代だ。
また、さらに現れたのが
グレーシャー国立公園で会ったスペイン人のRainskirtだった。ちなみに彼は49歳。彼がPCT(パシフィッククレストトレイル)何足の靴を使ったか聞いたら2足だった。
たいていの人は4〜5足は使うらしい。
ちなみに自分より年寄りのCDTハイカーにはまだ会わない。
急ぎ足で通り過ぎたハイカー2人もいたが、彼らはDarby目指したのかな?
昨日は誰にも会わなかったのに今日は多い。
明日に向けて湿布をした。
明日も午後は休めるはずど。
夕飯はオートミール入りのカレーメシ。
Rainskirtのテント。というよりタープとビビイサックの組み合わせ。ビビイとは寝袋自体がシェルターのようになっていて、顔の部分は網が付いていて蚊には刺されない。広さがあるので雨は入らないらしい。そして、寝る場所だけ高ければ水たまりに浸かることも無いと話してた。
寝る前に夕日が美しく見えた。
ベアグラスの白い花も夕日に染まり印象的だ。
今日の距離:18.6マイル(29.8km)
7月12日(金)
足首の痛みの為、ゆっくり歩く自分から他の人より早く出ようと目論んでいたら、歩き出したのは最後だった。
それでも、6時10分にスタート。
コーヒーを飲んでたのが敗因だな。
当然、追いつくはずもない。
でも、出発前にRainskirtと記念撮影。
昨日15マイル以上歩いた割には痛みは減っていた。
どんどん良い方向に行ってる気がする。
3時間でDarbyに向かうハイウエイに着く。ここからヒッチハイク。
通る車がすごく少ない道路だ。
心配したが、意外と早く成功する。
乗せてくれたのはHardyという自分より2歳年上の人。スバルの車に乗っていた。
アリゾナ出身(ツーソン)で明後日は96歳の母に会いに行くという。
お礼に20ドル渡そうとしたが断るのを、コーヒーでも飲んで欲しいと無理やり渡した。40キロ以上を乗せてくれたのはありがたい。
10時前にはDarby(ダービー)に着く。
田舎の街といった感じだ。
バジェットというモーテルで降ろしてもらったが営業をやめていたので別のモーテルまで歩く。
Mountain Sprits Innというモーテルに泊まることにした。
受付の人に聞くと、モーテルは掃除があるので12時まで使えないとのこと。
ちなみにこの街は750人の人口だという。
全ての人と知り合いなの?と聞くと知らない人もいるとの答え。でもなんだかフレンドリーな感じがする。この人もとても感じの良い人だった。ここに住んで11年だそうだ。
とりあえず受付を済ませ、荷物を置かせてもらい空きっ腹を満足させに行く。
コンビニがあり、中をのぞくとバーガーやチキンがあったのでコーラと共に頼み、店内の席について食べた。
街についての最初の炭酸はものすごく美味しいのでついつい頼んでしまう。
そこに現れたのがSunshineだった。
昨日、再会を果たした後、彼はDarbyに着いていたのだ。
彼に出発するのかを聞くと、宿を出たものの暑さが半端ないのでためらってた。
彼の荷物を試しに持たせてもらうと半端なく重かった。たぶん20kgはありそうだ。この先の食料と水をたっぷり入れてあるようだ。
面白いのがプリングルスを筒の容器のまま何本かそのまま持ってる。かさばる荷物だ。
でもカロリーが高くてプロテインも含まれて良いという。
それを聞いて真似することにした。
向かったスーパーマーケット。
ここでプリングルスとジップロックを購入。ジップロックを探してると、他の買い物客の人が親切に教えてくれた。小さい街ならではの光景かもしれない。でもレジの人は無表情な接客だった。
話は変わるが、この街でハウディと挨拶してるのを聞いた。今まで、ハウズゴーイングとかハゥワイユーとか単にハイかハローがほとんどだった。
調べてみると元々はカウボーイの挨拶らしい。
モーテルに戻ってから、そのままだとザックに入れられないのでジップロックに移し潰した。自分のザックにSunshineのように入れるだけの余裕は無い。
甘いものばかり多かったのでありがたい!
この塩分は暑い時期の補給にとてもいい。
その後はゆっくりとした。足を休めなくては!
明日も休養日にする。
この先の区間から距離を上げられるようにしたい。
今日の距離:10マイル(16km)
7月13日(土)
今日は休養日と決めた日。
明日には復帰なので、ちゃんと休むために図書館に行く。
歩いても5分くらいの場所。
中は雰囲気が良い。
係りの人も親切だ。話をしたら本を選んでくれた。
ここで、トレイル上で見た花を調べる。
グレーシャー以降も多くの花を見てたので興味を持ってきた。
日本の花と似てるものも多いが同じなのかわからない。
ハクサンイチゲに似た花を見たけど、ハクサンイチゲで調べると北米の分布は無いようだし・・
難しい。
午後は食料の最終荷造り。
今回は甘さを抑えた食料計画だ。
ラーメンを始め、砕けるものは小さくした。
ヒマワリの種の殻無しがあったので栄養価を考えて導入。Sunshineに教えてもらったプリングルスや動物性たんぱく質としてジャーキーやベーコンチップも加えてある。
そして、このURSACKに入りきった。
明日からの準備は終わった。
今夜はビールでも飲んで早く寝よう!