日本で台風19号が猛威をふるってる間、何をすることも出来ず心配するしかなかった。
一方、雪が積もった山を見て、どうするべきかも悩んでもいた。
自分の悩みは、大きな災害が降りかかった日本の状況を考えれば小さなことだ。
アメリカでも北の方では吹雪があり、ロスアンゼルス近くの山火事や、南の方での猛威をもつ低気圧など起きている。
地球がおかしくなっているのだろうか?
それは人間のせいなのだろうか?
10月11日(金)
トレイルに戻ろうかとも思ったが、厳しい寒さを感じ、もう1日様子を見ようと思った。
モーテル近くから見た山は白い。これも滞在を延ばした理由。
ちなみに山火事の様子。
少し煙が減った気もするが、まだ燃えている。
モーテルで過ごしながら、たまに山の方を見た。
午後には雪の白い部分が少し減った気もするが、高い場所は今日の寒さで凍っている気もする。
さて、明日はどうしよう・・
そう思いながら日本の台風情報を見ていた。
10月12日(土)
朝、起きてから見たのは日本の台風情報。
日本は夜中だから、眠れない夜を過ごしてるのだろうかと思う。
雪の白い部分が昨日の夕方になっても見えていたので、いよいよ決断をした。そして、歩き出す。
雪があるトレイルに戻るのではなく、ヒッチハイクで南下して雪の無い場所から歩くという決断だ。
足首が痛くて歩けなかった区間もあったが、Anacondaの街からはずっとつないで歩いて来た。足首の痛みは残っていたが、なんとか前に進みコロラドへと来た。
今回、安全策のため雪の区間を避けて歩こうと考えたのは正しい決断のような気がする。
しかし、心の中では何か張っていた糸が緩んだような変な感じが残る。
4カ月歩いて来たことで理屈では無い、精神的な張りが崩れたような感じだ。
足取りは重いが先に進もう。
歩き出すと、とある家の脇に鹿の像みたいなものが見えた。よく見たら本物の鹿だった。じっと見つめる目が何かを伝えようとしてる感じがした。
まずは、ヒッチハイクするために歩いた。
ヒッチハイクで南下して雪の無い場所から歩くという決断だ。4マイル先のPoncha Springs の街まで歩く。
Poncha Springsに交差点があり、そこから目的地に向かう道路に立つためだ。
交差点から南に伸びる道路に歩き、ヒッチハイクを始めて15分くらいしたら1台の車が止まってくれたが、人を乗せる席は無かった。
でも、気になって止まってくれた優しい人。話だけして彼は去っていった。
その後、10分くらいして母と娘の乗った車が止まってくれた。
乗せてくれた人の目的地はAlamosaだった。
行きたい方向とは違うが、それでも近づけるのでOKだった。彼女たちはお葬式のために向かってるという。
車内でオレンジをいただく。
車の窓から見えた山火事。
Salida の街の方に煙が流れてる。
1時間くらいして着いたAlamosaはSalidaより大きな街だった。
Safewayの前で降ろしてもらい、サンドイッチと飲み物を買って昼食にした。
このままトレイルに向かうべきか考えたが、気持ちが乗らず、ここで泊まってから、明日の朝、トレイルに戻ろうかと考える。積極的に前に進む気がしていない。
そして、モーテル予約して歩き出す。
モーテルはこのCity Marketというスーパーから近い。しかもモーテルの隣はバーガーキング、その隣がマクドナルド、その隣がTacobellという豪華キャスト。
少し離れればIHOP(アイホップ)、ケンタッキー、Arby's(アービーズ)と言ったアメリカを代表するファーストフード店があった。
なんとなく、すぐ近くのホームセンターに入ってみた。
すると馬のマネキンが。
馬に乗らないようにとの注意書き。
ぶらぶらしてモーテルに戻った。
夜の食事はCity Marketで買った冷凍食品。
アメリカでの食品は甘いものが多いからつらい。
このフライドライスに卵とミックスベジタブルの混ざったものは、甘くないので食べやすい。
10月13日(日)
とりあえず、モーテルを出て前に進む。
ヒッチハイクの難しそうな道路なので、乗れることを期待せず歩く。
いっそのこと、次の街まで歩こうか?
ヒッチハイクを途中で試したが、車のスピードが速い。真っ直ぐな道路では中々止まらない。
仕方なく、また歩き出す。
すると、Alamosaから数マイル歩いた場所で車が止まる。
歩いてる姿を見て止まってくれたようだ。
South Forkまで行きたいと言うと、友人の迎えに行くのだが、途中までなら良いとのことだった。
彼はリーという名前。
年齢は同じくらいだろうか。
Monte VistaまでならOKとのことだ。
ソーラーパネル関連の仕事をしていてAlamosaに住む人だった。
Monte Vistaに着き、お礼に20ドル渡すと、彼は「South Forkまで行こう」と言ってくれた。
そして、降ろしてもらったSouth Forkのお店。
ヒッチハイクが難しいと思ってただけに、彼の親切さに感謝した。
降りてから、このRainbow Groceryでコーヒーを飲もうとしたら無料だという。申し訳ないので菓子を1個買う。
運良くここまで来たが、トレイルに戻るには中途半端になったのでSouth Forkに泊まることに決めた。
気分が乗らないのも原因だ。疲れも感じてる。
モーテルに行くが受付には早いので、荷物を預かってもらい昼を食べに近くのレストランに向かう。
アメリカのレストランだとハンバーグくらいしか無いので、運良く見つけたメキシカンレストランへ。
綺麗な店内。
オススメを聞いて頼んだのはEnchilada Suizas。
チキンをトルティーヤで巻いてあり、アボカドにグリーンソースやホイップクリームがのせてある。
左に豆料理、右にライス。
クリームは甘くない。
けっこう満足できる美味しさだった。
しかし、トルティーヤチップスのディップは辛い!
量的にはとても満足して、ヒリヒリする口の中を感じながらレストランを出る。
モーテルに戻ると、チェックインが出来た。
さっそく部屋に入って、ベッドの上にいたら眠ってしまった。
どうやら長旅の疲れがたまってるようだ。
夕飯は冷凍食品を買ってきて、電子レンジでチン。
元気を出して、明日はトレイルに戻ろう!