Chamaで3日も休養をとってしまった。
でも、おかげで左足のカカトは痛みを感じなくなった。傷薬をぬって、カットバンで塞いでいたのが良かったようだ。
10月29日(火)
暗い街をバス停まで歩く。まだ朝の5時少し過ぎ。天気予報だとChamaは最低気温が氷点下10度以下になってる。ぬくぬくしたモーテルから極寒の地へ出た感じだ。
まだ暗いこの時間に、本当にバスは走ってるのだろうか?
しかし、待っていると自転車でやってきた人がいた。彼も同じバスに乗ると知って安心した。
その後、もう1人が加わって合計3人。
来たバスは誰も乗っていなかった。
だから、運転手と3人だけ。
スペイン語を話してる2人は別の街へと向かうので、自分だけGhost Ranchで降りた。所要時間は1時間。
途中のバス停は何箇所もあったが、乗る人は皆無。
バスは闇へと消えていった。
前回の最終地点、Ghost Ranchの入口。
今日はここから頑張ろう!
しばらくはヘッドライトをつけて道路歩きをした。
ヘッドライトを点けていても、車が来ると怖い。
やがて明るくなって風景が見えてきた。
山肌に地層が現れてる。これぞニューメキシコと感じる。
一般の舗装路からダート道路に入る。
しばらくするとSanta Fe National Parkに入った。
おや、道路を塞ぐ牛の存在が見えた。
どうか、退いてくれますように!
とお願いしながら歩いたら、脇の原っぱに避けてくれた。
色の違う層がはっきり見える土手。なぜ、こんなにくっきりと分かれているのか不思議。
進行方向の左側には大きな川だ。
そして、トイレがあった。キャンプできそうな場所だった。
川にアクセスできる場所らしい。
この川にかかってる橋が見えた。ここを進む。
この後、少し食べてからまた歩き出した。
川を渡って南に歩いた。
この頃には日差しが暖かくなってくる。
岩山が美しい。
景色を見ながらどんどん進む。
これは真っ直ぐがトレイルで、左から右へと水が流れて削られた場所。
砂漠で大雨が降ると逃げ場を失った水が大量に流れ洪水のようになる。その為、削られた場所は深くえぐれている。
何故か綺麗なCDTマーク。
今年付けられたのかな?
上り斜面で雪が残ってる。
昨日の雪のようだ。
この辺りから足首が痛くなる。
長い距離を歩くと負担がかかるようだ。
掲示板に貼ってあったポスター。
過去の歴史を残そうというものらしい。
日当たり良い場所で休むが風が冷たい。
でも、休まないと足首がキツい。
目標としてた水場に着いたのは3時半くらい。
大きなタイヤが使われてる。パイプからの水が綺麗だ。2リットル持つ。
この後、泊まろうと思ってる場所へと向かう。
泊まろうと思ってたシェルターに着く。シェルターというよりは、軒下だけという感じだ。
この状態なら、寒さが減るかな?
テントの下には落ち葉をひいた。
今日の距離:21.6マイル(34.6km)
10月30日(水)
夜は屋根があったおかげで寒さが減った気がする。
屋根は大切だ。
歩き出しは暗かったが、やがて明るくなってきた。
しかし、寒い!
日差しが出てきて休もうとしたが、寒すぎて荷物を下ろしただけで、また背負う。
歩かないと寒い。歩いても温まらない。
しかも足首が痛くて早く歩けない。
道路に出た。
ただ渡るだけだが、数台通ったのを見ただけのローカルな道路だ。
道路を渡ったところにトレイルは続く。
この牛が通らないように工夫された木組みは、開け閉めしなくていいから楽。人は通れるが、四つ足の大きな牛は無理らしい。
やっと見つけた、風除けになる岩の休憩場所。
ここで、昼に早いが食事する。
ここに来るまでにザックの中で凍り出した水と飲料のペットボトルを溶かすが溶けない。
手袋は二重にした。
水場。この先のことを考えて補給。
標高が上がるにつれ雪が深くなる。
雪が深くなることを心配したのと、足首の痛さで今日は歩かないことを決定。
そして、Cubaの町までで自分のCDTを終わらせることを決めた。
足首については、ずっと痛かったが、歩けば治るかと思っていた。しかし、中々良くはならない。
日本に帰って、ちゃんと病院に行こうと思う。
今夜も寒そうなので、テントサイトに落ち葉を敷く。少しは違うかな?
寒いので、すぐにテントの中に。
サロンパスはアメリカでも良く売っている。
今日の距離:11.6マイル(18.6km)
10月31日(木)
夜は寒かった。毎回、寒さが深まる気がする。
テント内は霜だらけ。
ガスコンロの火力が寒さで弱すぎる。
歩くトレイルは雪が積もってた。
トレランシューズで、しかも防水で無い。
でも何故か靴の中は濡れてない。普通のランニングシューズでも真冬でなければ歩けるということが分かった。
会いたく無いクマさんの足跡。
やっぱり凍るボトルホルダーの水。
途中からチェーンスパイクをはめてみたら、蹴るときに滑らなくていい。
朝から装着しておけば良かった。
分岐でどちらに行くか?と見ると。
CDTが付け加えられてた。
ここは水場だが、カチカチの凍り。上に乗っても大丈夫。
他の水場も凍ってた。標高3000m以上だと水は流れていない。
トレイルに凍った場所。
渡渉より怖い。
まただ!
この後も数カ所あった。
だいぶ下ってきた。
そして、道路歩きが続く。
ここが足首に辛かった。路面の硬さが振動として痛みを増幅する。
一般道路に出て、モーテルに向かった。
今日の距離:21マイル(33.6km)
歩き終えた今は気が抜けた感じだ。
Continental Divide Trailの4000kmに及ぶ全てを歩けなかったが、充実したといえるのだろう。自分なりには頑張ったと感じる。歩いた総距離は2764㎞だった。
Cubaの街で今年のCDTは終わった。