マヨジーが行く

マヨジーが行く

マヨネーズ好きのじいさんが体験したことをあれやこれやと記録します。

薮岩魂のその奥へ(大ナゲシをさらに好きになった)

こんにちはマヨジーです。

 

前回、大ナゲシ北稜へ行った後から気になってたルートがある。

それが北東稜といわれるルートだ。

 

前回の北稜のルートについては下記参照

 

www.mayoji.com

 

 

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右陵左陵



この北東稜は「薮岩魂」の本の中で触れられている。

作者 打田 鍈一さんが大ナゲシ北陵に行こうとした元となったのは神原 俊作氏が1977年7月に大ナゲシに行った記録だ。

その記録だと、右稜から登り、左稜から下るとなっているらしい。南方向に向かって右・左としてるために、この左稜が方位でいう北東稜になる。

そして、打田 鍈一さんは35年後の2002年に右稜(北稜)を歩いたものの、下山は一般コースだった。

その時のメンバーが面白い。

打田さんと歩いたのは某テレビ局の登山の番組で編集長と呼ばれて出演してる萩原浩司さんと、同じく某テレビ局で登山のリポートを行なってる小林千穂さんだった。

 

当時は神原氏の記録しか参考資料が無かった時代だ。だから時間的なことを考えて北東稜を歩ずに一般コースで下山したのもうなずける。

 

しかし、今はヤマレコに行った人の記録がある。ヤマレコとはインターネット上で山に行ったことを公開する場だ。地図や写真で表現してるので、先人たちの記録が多いほどこういった山でのルートファインディングも楽になるし、想定が楽になる。

今回はヤマレコにあったkirakirakiraさんとreyerso-5さんの二人組の記録と、DIYさんの単独の記録を参考にさせてもらった。

それ以外の記録は見つからなかったというのもある。

 

地形図を見てみると大ナゲシの北東稜は稜線上の途中に岩場のマークがはっきりとある。

歩いてそのまま登っていけるようだが、反対側は崖になってる為、どこで懸垂下降するかが今回のキモになる。下降を誤ると危険だ。

 

そして、大ナゲシが近づいてからが、かなりの急登となり薮もあるらしい。

 

一緒に行ったメンバーは秘湯仲間の酒豪Kさん(秘湯に一緒に行った時ワイン2リットルを2人で飲んじゃったから酒豪)と健脚Mさん(いつも後ろを振り向くと迫ってくるから健脚だ)、新たにノッポのCさんが加わった。

健脚Mさんは妖怪Mさんとも呼ばれるらしい。

その真実はわからない。

 

北東稜へ登る

2018年12月18日。

スタートしたのは赤岩橋付近。

凍ってる場所もあるかもしれないと、チェーンアイゼンを持った。そしてヘルメット、ハーネス、ロープといった装備も加わる。

 

準備を整えて寒さの中を歩き出したのが 7時15分。

封鎖された林道を少しだけ歩き、いきなり道なき山中に入る。もちろん登山道は無い。そして、不安定な急斜面を登って北東稜の尾根に上がることができた。

尾根を登って行く時にはルーファイはしやすい。ひたすら高みを目指して見当をつけて登る。

 

しばらく尾根を登って行くと岩に突き当たる。

こりゃ登れそうもない!と判断して右側から回り込んでその先の尾根をすすんだ。(登るより楽だという判断もあった)すると、その先には大きなルンゼがあった。

 

見る限りでは、ルンゼ内はゴロゴロした岩に苔がついた斜面の急坂だ。一見すると苔は滑りそうだ、ここねら歩けそうだ・・と思い進む。

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幸いに苔は乾いていたのと、ジグザグに歩くと登りやすかった。不思議とジグザグに道があるように見える。おそらく動物たちが付けた跡かもしれない。

おおよそ150メートルの標高差を上がった頃にルンゼの前に岩場が現れる。

 

岩場は登るには不安定な感じが伝わってくる。

左側を見ると泥斜面の急登に木がそこそこ立ってる。

よし、ここから目の前にある尾根に上ろう!

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まずは木の根がうまい具合に登れそうなので取り付いた。

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その後はかなり急登だ。間違えて滑ったら落ちてしまうだろう。

 

登った先は岩陵帯の尾根になる。そして、シャクナゲが多い薮になる。

薮を掻き分けながら進むと絶景が現れた。

進む先の大ナゲシだ。

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マッターホルンのような山容が美しい。

北東稜から登るからこそ見れる形だ。

ここが地形図で岩陵帯となる場所だ、

 

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少し進むと全容が見られる。

 

この先は急傾斜の岩場で下降となる。(懸垂下降地点はヤマレコでのDIYさんの記録を参考にさせてもらった。)

少し岩場を慎重に降りて、さらに泥の斜面を東側に下り絶壁の手前にたどり着いた。下を覗くと20メートルくらいある。ビレイをとり、安心できる木にロープをかけて、垂直な岩を降りることができた。

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降りた先は幸いにまるで歩道のようだった。

もう立つ場所の不安はいらない。

 

岩場の脇を大ナゲシ方向に進み振り返ると大きな船の穂先のような岩がそびえ立っていた。

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 あの上の奥に先ほどまでいたのかと思うと感動だ。

 

ここからは大ナゲシへの急登だ。

顕著な尾根を歩く。

薮と格闘しながら大ナゲシに着いたのはスタートしてから4時間を過ぎていた。

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大ナゲシに着いて喜ぶMさん。

本人はタイタニックポーズだが、どう見てもバンザイだ。

 

ここでは景色を楽しんで昼食となった。

遠くには雪をかぶった浅間山も見ることができる。

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北稜への下山

ここから北稜を下ることになる。前回、登ってきたルートだ。

ここを下山するとなると前回の登りよりはルーファイが難しくなる。前回の記憶を頼りに進むが記憶は曖昧だ。それと懸垂下降地点二ヶ所をどう登るかだ。

 

まずは一般登山道を少し下りて、小ナゲシへと道なき場所を進む。

小ナゲシからは前回は懸垂下降してきた道を逆に進むことになるが、ここではDIYさんの情報が役に立った。

小さな尾根から下らずにそのまま進めばロープも使わずに小ナゲシへ歩けるらしい。それを信じて岩場をよじ登った。

すると、振り返ると大ナゲシが別の形でよく見えるスポットだった。

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左側の突起の下が岩岩してて、ここから見る大ナゲシもカッコいい。少し歩けば小ナゲシの上だった。

 

さて小ナゲシからは下る坂を間違えると迷走しそうだ。 憶えているのはルンゼを登ってきたこと。だからルンゼを下ろうと判断した。

地形図上ではルンゼが明確に表記されているわけではない。ほんの少しの波線がルンゼだったりもする。だから、このルンゼで正しいのかわからないまま下る。しかも、地面が凍結気味で滑る。

登って来た時には気にならなかった急傾斜が下りだとこわい。

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お助けロープ(30m)を何回も使ってつかみながら下った後、正しい方向であったことがわかる。

お助けロープとは歩いて下れないこともないが、転ぶと落ちる可能性がある場所でロープにつかまりながら下るためのロープだ。

 

そして、野栗沢諏訪山へとう回路を使って登る。

 

この野栗沢諏訪山からの下りもルンゼがポイントだった。

おそらく尾根を選んで行くと崖の上に出てしまう可能性がある。

だから、前回登った時のルンゼを探して下るのが良いと判断。

しかし、ここでも正しいルンゼか不安になりながらお助けロープ使用で下る。幸いにしてルンゼ下に見覚えのある岩穴を見つけてほっとした。

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 穴の中に住めそうだ。

 

夜が迫ってくる

 

実はこの後、冬の日の短さを思い知らされる。

野栗沢諏訪山に着いたのは15時ころ。

日暮れの開始時間はおよそ16時30頃だ。北東陵を登って来て、さらに不安定なルンゼを歩いたメンバーの疲れはたまり、早くは歩けない。

この先には前回懸垂下降した1073峰が待ち受けている。その下降地点から1073峰に上がれるかどうかはわからない。暗くなる不安とともに薮の中にうっすら見えてる1073峰に方向を合わせて進んだ。

結局、1073峰手前に着いたのは16時になってしまった。

 

なんとか懸垂下降地点の急斜面の弱点を選び登り終えたが、やっぱり暗くなった。

 

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月明りを進行右上の方向の目印にして下山ルートを探す。

 

頭にはヘッドランプを装着。どんどん暗くなる中を普通の登山道でない斜面を歩くため足元が不安定だ。転びそうになりながら下る。

暗闇のルートファインディングは周りの尾根や谷を参考にできないのでスマホの地図でGPSを頼りに進んだ。特に杉などの森は暗くなるのが早い。

そして暗闇の中林道にたどり着いた。

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 止めておいた車に戻ったのは18時少し前だった。

 

無事下山できたものの、大ナゲシ北東稜から北稜へのコースの過酷さを改めて認識できた。約11時間に及ぶ山歩きとなった。

でも、このルートは最高だ。

大ナゲシから赤岩尾根を美しく見ることができた北東稜を忘れることはないだろう。

 

おわり

 

 

 

 

 

 

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大ナゲシ北東陵