こんにちは秘湯ハンターになったマヨジーです。
今週は那須の秘湯「三斗小屋温泉」へと行ってきた。先週の広河原は秘湯感満載の何もない場所で温泉作りから始まったが、今回はちゃんと旅館がある。旅館と山小屋の違いはよくわからないが、利用してる人は登山も楽しみながら来るような、歩いてしか来れない秘湯の旅館がある。
那須の秘湯「三斗小屋温泉」に向かうには那須ロープウェイに乗り、山を越えて向かう方法が一般的だが、今回は三斗小屋跡地に寄るために沼原湿原をスタートして周回する方法を選んだ。
三斗小屋跡地とは廃村だ。
その歴史は会津藩によって1695年に会津中街道の難所に整備されたことに始まる。
その後、白湯山信仰の登山口として栄え、戊辰戦争の山岳戦の現場となり14戸が焼失するなどの災難を受けている。
明治には銅山が開かれ宿の近くで精錬が行われた。
しかし、1905年の大火で14戸すべて焼失。
めぐるめく時代の流れの中で、1957年に最後の1戸が転出して無人となった。
現在は観光地というわけではないが、その場所がどのようなものになっているのかを見たかった。
もちろん今回のメインは
秘湯・三斗小屋温泉だ。
三斗小屋温泉には大黒屋と煙草屋という2軒の旅館がある。明治の初めには5軒あったらしい。
今回はそのうちの煙草屋という旅館に行くことにした。
煙草屋を選んだ理由は旅館という場所でありながらテント泊が出来る事と露天風呂があるからだった。
テント泊できると言っても3張りまでで、しかも予約制だ。今季の営業は25日までとなっていて、ギリギリに予約できたことに満足して現地に向かうことになった。
三斗小屋温泉に同行したのは秘湯ハンター会員Kさんだ。(マヨジーが勝手に会員だと思っている。)
Kさんは単独登山が中心の女性だ。男っぽい性格で車が大好きだ。そしてお酒が好きだ。だから、今回も2リットルのワインを持ってきてしまった。
11月22日スタート地点の沼原池の近くの駐車場から歩き出した。
どうやら熊が多いらしい。
もうすでに紅葉は終わり、那須に来る人は少なくなっている。駐車場の車も1台だった。
橋を渡ったり、枯れた葉の落ちた滑りやすいハイキング道を進むこと1時間半くらいで三斗小屋跡地に着いた。
歴史を感じる場所だ。
風呂の釜だろうか?
一升瓶が散乱してる。
この像は何を意味するのだろう?
長い歴史をずっと見てきたのかな?
立派な鳥居もある。
この鳥居は倒れてたものを最近復活させたらしい。人が住んではいないが、この地を埋れさせまいと努力している人たちもいることに気づかされる。
目的は何かわからないが、やすらぎ荘と書かれた建物があった。
過去にここに生きた人たちがいたことを不思議に感じながら温泉へと向かった。
三斗小屋跡地からさらに歩くこと1時間半くらい、途中熊の糞を多く見ながら三斗小屋温泉に着いた。
大黒屋
煙草屋
少し小雨が降ってたので急いでテントを張る。
この時点では青空も見えたが・・
寒いので、テント内で食事だ。
恒例となった鍋に、ワインで乾杯。
最近はいつも来ていたHさんの鍋を使ってたが、今回、Hさんは他の活動へ行ってしまい、欠席なので使えない。なので、マヨジーが購入して持ってきたアルマイト製の鍋だ。山用品の鍋より安いし、レトロ感あって気に入ってる。
外も暗くなり、露天風呂に向かった。
ところが雪が降っている。
ワインが風呂に着いて来たいと言ってたので仕方なく連れてきた。しかし、カップを忘れたので注ぎ口から直接飲むことになってしまった。
この混浴露天風呂も今まで行った露天風呂同様に暗くて、裸になるのにも楽で難易度は低い。ちゃんと更衣できる場所もある。
自分たちが入ってる時にも女性を含む数人が入って出て行った。
話をするとみんな温泉が好きで山が好きだ。
この日は風も強く吹き、冷えたテントに帰るのが億劫になり3時間も入ってしまった。
出る時には勇気が必要だった。
風呂から上がり、テントで寝た後翌日の朝は雪山の世界に変わっていた。
寒くてテントから出られない。しかし、頑張って出る。ちなみに昨夜の2リットルのワインは空になっていた。おそるべしKさんだ。
しかし、登山では帰りの荷物が軽くなるのはいつも嬉しい。2キロは軽くなったはずだ。
昨日の鍋材の残りを使って雑炊にして朝食。これもまた上手い!
食べてる間に夜の温泉で出会った人たちがテント前の雪景色の登山道を通過して行った。
温泉神社
帰り支度をしてから、温泉神社に向かった。
昨夜、温泉であった人が教えてくれた神社だ。
その本殿は左甚五郎と思われる人が制作したらしい。(確証は無い)
煙草屋の裏手から上がっていく。
すると鳥居が見えてくる。
ずっと登りだ。
その奥にあった本殿。
かなり傷みがきてる。説明には左甚五郎とは書かれておらず「日光東照宮の造営に関わった彫刻師が保養に来た時に制作した・・」と書かれてる。言われればそんな気がする。
「秘湯温泉にたくさん入れますように」と左甚五郎にお願いした。
帰りの道は雪道だ。
滑らないように注意して歩く必要があったが、久しぶりに雪の上を歩くのは楽しい。
昼頃に駐車場に着く。
一台だけ雪をかぶっていた。
今回は温泉と雪山を楽しめた。満足!満足!
そんな気分で車に乗り込んだ。
これで秘湯ハンターとしての今季の活動は終わった。また、数年後に秘湯ハンターとしての血が騒いだら復活するかもしれない。
おわり